トレンチコートのかっこいい結び方！

　トレンチコートのベルトは、ご承知のとおりちゃんとバックルが付いていて、バックルを止めることでベルトを引き締めることは可能です。それなのにどうしてベルトを結ぶ必要があるのかというと、バックルの穴に通しただけではウエストを絞るような締め方が現実的にはできないことが要因です。


　現在のトレンチコートは、腕についたベルトと同様、ある種飾り的な意味合いが強く、ズボンのベルトのように本気で締め付けるようなことを想定していないのかもしれません。もちろんズボンのベルトのように調整機能も付いていません。


　そのため、トレンチコートのベルトをある程度締め、体型的にウエストを絞ったシルエットを生み出すためには、バックルを無視してベルトを紐のようにして締める方法が生まれました。というよりも、ある種のおしゃれ感覚が要因ではないかとも思います。


　そんなことで、一時はトレンチコートのベルトをいかにしてカッコよく結ぶかが男女を問わず趣向された時期があります。たとえば、おなかの中心で締めるより少しわきにずらした方がアンバランスでかっこいいということで、下記のような締め方が主流になりました。


　また、結び方もいろいろと工夫され、基本的な蝶結びといわれる方法や片結び（片方だけに蝶を作る）のほか、留め結び（蝶をつくらない結び）、それもほん結びという左右対称のものや縦結びという末端が縦方向になる結びなど、さまざまです。
実は、もうひとつの流れは、そもそもウエストを絞ることについて違和感を覚える層が出てきたことです。たしかにトレンチコート自体、硬い印象があるのにさらにウエストを絞るのは逆にとても野暮ったい感じがするので、あえてベルトを締めない動きが出たのです。


　だからといってベルトをはずすのではなく、ベルト穴に通したままお腹の前では結ばない。そういった方法が主流を占めるようになりました。そのための方法は大きく２つあります。一つは、ベルトの末端をそれぞれ左右のポケットに収める方法。最初は単なるめんどくさがり屋がやっていたのですが、それが様になってみんなマネをし出した感じです。

　そしてもう一つが、今一番主流ともいわれる「後ろで結ぶ」方法です。要するに、ベルト穴の後ろと横だけにベルトを通して、そのまま末端を後ろに持っていき腰の部分で結びます。

　このようなスタイルをする場合は、どちらかというとコートのボタンを全くせずにトレンチコートを羽織るといった着こなしが似合います。自然な感じとワイルドな感じが出ます。ただ、どちらの方法も好き嫌いや似合う・似合わないがありますので、ご自分で試してみてください。
　後ろで結ぶタイプは、背中側にどうしてもシワが寄るので嫌う人も多いようです。